胃潰瘍とは?
<p>症状</p>
[1]とくにみぞおちのあたり(心窩〈しんか〉部、上腹部)がズキズキと痛み空腹時や
食後すぐ食後1~3時間と様々な時間に痛み多くの場合は摂食により
痛みが軽減します。
[2]胃酸の出すぎで胸やけがし酸っぱいげっぷ(呑酸〈どんさん〉)が出ます。
[3]悪心(おしん:むかつき)、嘔吐(おうと)、食欲不振、みぞおちのあたりの
重苦しさなどですがいずれも胃潰瘍だけの症状ではありません。
[4]胃壁の血管に傷がつくと吐血や下血がみられ吐血は鮮血(せんけつ:真っ赤な血)の
場合や黒色化した(コーヒー残渣様〈ざんさよう〉)場合があり鮮血は大量出血で
出血が続いている場合でコーヒー残渣様の場合は出血が
持続している場合もあるし止血している場合もあります。
[5]高齢者では無症状で検診などで初めて発見される場合もあります。
[6]他覚症状としては上腹部や心窩部に圧痛を認めます。
十二指腸潰瘍とともに消化性潰瘍といわれ酸、ペプシン(タンパク質を分解する酵素)に
より消化管(胃や十二指腸)の壁の欠損を生じる病態で食べ物を消化する
胃液(攻撃因子と呼ぶ)とその胃液から胃を守る作用(防御因子と呼ぶ)の
バランスがくずれた時にできると考えられています。
※統計学的には男性は女性に比べて約3倍ほど罹患(りかん)率が高いようです。
攻撃因子の1つである胃液は胃酸とペプシンを含んでおり食べ物を溶かすだけに
とても強い力をもっていてそのままでは胃自体も溶かしてしまいその力から
胃を守るのが防御因子で防御因子には粘膜を保護するバリアの
役目をする粘液、粘膜が分泌するアルカリ性物質で胃酸の力を
やわらげる重炭酸、粘膜を健全に保つ血液の流れがあります。
これら攻撃因子と防御因子の2つの作用がバランスよく働いている場合はよいのですが
攻撃因子が強くなりすぎたり防御因子が弱まることで胃の粘膜がこわれてしまい
胃酸やペプシン以外にも以下のような攻撃因子があります。
その第一に考えられるのがストレスでストレス(精神的、肉体的を問わず)によって
例えば自律神経(脳の命令に関係なく働く神経。夜眠っていても心臓や胃が
働くのはこの神経のおかげ)に変調が起き胃液が出すぎたり
胃の粘膜表面の血管の収縮によって血液の流れの
悪いところができその部分の防御因子の力を
低下させるのです。
また最近はヘリコバクター・ピロリという菌がほとんどの潰瘍の原因ではないかといわれ
現在注目の的です。